10.23.2015

「Peter Barakan's Live Magic! Vol.2」への道❺ Boukou Groove

明日から来日公演、この直前になって何とギターのBig Dが緊急入院。当然、彼は来られず。
しかしBoukou Grooveのツアーは予定通り行われます!
代役として、山岸潤史さんが推薦する、田中 'Tak' 拓也さんが決まりました。

よって今回のメンバーはこちら。
Donnie Sundal (vo,key)
田中 “TAK” 拓也 (g,back vo)
Jamison Ross (ds)

昨年とはギターもドラムも変わることになりました。正直に言って不安がないわけではないですが、Donnieさんのミュージシャンとしての底力が試される展開、見守ろうと思います。
来日公演の初日10月24日発売という完璧なタイミングの2作目『Let the Groove ride』

Boukou Grooveはニューオリンズ拠点の、ファンク〜ソウルを持ち味にしたバンド。
それも1970年代前半の色が濃い、今どき珍しい貴重な存在です。
アルバムは2012年に出た『A lil Boukou in your cup』だけでしたが、2作目を文字通り引っさげて、今回の会場で販売する予定。『Let the groove ride』と題されています。


2012年発表の前作『A lil Boukou in your cup』

前作の"Stay broke"という曲をピーター・バラカンさんが頻繁にかけていて、知るところとなりました。
昨年の「Live Magic!」では2日目のトップバッターながら、個人的にはベスト・アクト。
Princeの初期ヒット曲 "I wanna be your lover"もサマになっていました。

10月24日(土)「Live Magic!」出演の他に、単独公演もあり。

◎10月25日(日)  松江興雲閣 (島根県松江市殿町1-59)
「Live Magic! Extra」として、東京以外では唯一の公演。

◎10月27日(火) Blue Note 東京 (2回公演)

最後にはなりますが、今度の松江公演を主催し、ご自身が会長のコミュニティラジオ局で番組DJも兼任されている判澤正大さんをご紹介します。

ソウル、R&Bやジャズを中心に妥協のない選曲で、僕が今最も信頼するDJの一人。特にニューオリンズの音楽シーンに強く、独自のアンテナを張り巡らせて、他では聴けないものも多く放送しています。
今夜の放送でも、Boukou Groove の新作からかかると予告されています。少なくともラジオでは世界初放送なのでは。

判澤さんの番組「Hanza Wanda」は、コミュニティラジオDaraz FMで、毎週金曜日23:00〜25:00の生放送。
鳥取県西部の方はFMラジオで79.8MHz、
それ以外の方はインターネットのリッスンラジオ
http://listenradio.jp/
全国のラジオ局⇒中四国⇒Daraz FM
またはサイマルラジオ
http://www.simulradio.info/#chugoku 
からDaraz FM、で聴くことができます。

僕はiPhoneからアプリ「TuneIn Radio」で聴いています。

10.22.2015

「Live Magic!」という文化

準備に慌しくしているうちに、明後日に迫った「Peter Barakan's Live Magic! Vol.2」。
昨年、両日ともに参加した者として感じたことを少し書いておきます。

まずはもちろん音楽フェスティヴァルであるからして、音楽ありきなのは譲れないところ。
昨年はJerry DouglasやJon Clearyがどっしりとした軸になっていた。
今年も、波に乗るBoukou Groove、実力者揃いのI'm With Her、大型新人のDaymé Arocenaあたりに期待したい。
どの出演者も、現時点で日本での知名度は低くとも、個性と実力を兼ね備えた面々ばかり。その意味での"お得感"はかなり高い。

そして僕が一番言いたいのは、「Live Magic!」という空間が持つ肯定的な雰囲気。
夏に参加した富山の「スキヤキ・ミーツ・ザ・ワールド2015」でも感じたことだが、素晴らしい音楽を中心にして、人々の飾らない触れ合いがあり、とても心地の良い場を共有していた。
それこそがまさに"魔法"なのだろう。

フード、キッズ・コーナー、マッサージもあり。常に埋まり気味ではあったが場内に椅子も多数、リストバンドで出入りは自由。どなたも気持ち良く過ごせると思う。

ラウンジのステージから、Food Magic!コーナーを見渡す。

最後に私事で恐縮ですが、今年もラウンジでのDJを一部担当します。難しいことは考えず、良い曲をたくさんかけるつもり。
そして時間は未定ながら、FMヨコハマ「アナログ特区」でもおなじみのシン・バラカンさんも登場予定!こちらもぜひご注目を。

予告なくラウンジで演奏を始めた濱口祐自さん。昨年、最も盛り上がった瞬間の一つ。今年は何が起こる⁉︎
ピーター・バラカンさん本人による予習会の最新版が見られます。10/7(水)タワーレコード渋谷店にて。

それでは、この週末は恵比寿でお会いしましょう。

10.04.2015

リクエスト募集

発信力のあまりない僕ですが、記事の感想やメッセージなどありましたら、どんどんください。
コメントつけるのでも、ウェブバージョンから「Contact」でメイルでも構いません。

また、この題材について書いてほしい、あの舞台裏をレポートしてほしい、などありましたら、リクエストもぜひ送ってください。

てきるだけ双方向にしたいと思っているこのブログですが、やり方が分からないままです。
チャットぐらいの気安さを目指してはいますが。

閲覧数の少ない、ほぼ見られていない場所なので、かなり突っ込んだところまで書けるはずです。
いつても気が向いたときで構いません、長いスパンでお待ちしております。

10.03.2015

「Peter Barakan's Live Magic! Vol.2」への道❹ Daymé Arocena

6月27日に渋谷Li-poでの「It's time for Africa」という音楽イヴェントに行ってみた。
主催の一人は、Inter FM「OK Jazz」のDJだったJames Catchpoleさん。

路地裏のようなところで看板を見つけ扉を開けると、バラカンさんのラジオ番組でよくお名前を聞き、とても敵わないな、と常々思っていたリスナーさんお二人が。

何の遠慮も必要なく伸び伸びと音楽談義させてもらった中で、Giles Petersonが発掘したキューバ人女性シンガーがデビューする、との話題になった。
それがDaymé Arocenaの名前を初めて耳にしたときだったと思う。

早速バラカンさんも7月5日の番組で取り上げただけでなく、「Live Magic!」へ両日とも参加が決まったとの嬉しいお知らせ。
率直に言って、内容に関しては疑いないが話題性ではやや弱いかと見ていた今年のフェスティヴァルが、これによりグッと力強くなったと思った。

『Nueva Era』と題されたアルバムから、まず1曲"Drama"。
(リンクはiPhoneからだと埋め込めないので取り急ぎurl貼ります)

恵まれた声量と堂々たる歌いっぷり。
アルバムでは端正に作られた部分もあるように感じたが、ステージでは枠を外した自由な歌唱をぜひ観てみたい。今年4月のライヴ映像から、"Madres"。


公式サイトはまだないようですが、日本盤を出しているレコード会社のサイトが丁寧だったので、こちらをどうぞ。

10.02.2015

「Peter Barakan's Live Magic! Vol.2」への道❸ Sarah Jarosz

前回、「I'm with her」としての3人を取り上げましたが、その中からSarah Jaroszを特別扱いします。彼女のソロ作も少し知ってもらいましょう。

アルバムはすでに3枚発表しています。作品を重ねるごとに表現力は増してきて、特に『Build me up from bones』(2013)は個人的にも年間ベストに選んだ1枚でした。

そのアルバムからの曲"Mile on the Moon"を、小編成の落ち着いた演奏でどうぞ。



本人はテキサス出身。作曲も手がけ、バンジョー/マンドリン/ギターと持ち替える才媛です。

今回の来日公演ではソロの曲まで歌うかは分かりませんが、このあたりのカヴァー曲なら期待できるかもしれません。僕の大好きなBob Dylanの"Ring them bell"を弾き語っています。


新作も制作中とのこと、この先もとても楽しみな逸材です。
去年の「Live Magic!」が発表された頃、呼んでほしいアーティストを教えてくださいと言われ最初に思いついた1人が彼女でした。普通ならまず来日は考えられないだけに、早くも夢が1つ叶ったような思いです。

公式サイトのリンクも念のため貼っておきます。

10.01.2015

「Peter Barakan's Live Magic! Vol.2」への道❷ I'm with her

いよいよあと一カ月を切った今年の「Live Magic!」、ここからは僕の主観で見どころをご紹介。

今回、当初ヘッドライナーとして予定されていたLittle FeatのPaul BarréreとFred Tackettが、Paulの体調不良のため残念ながらキャンセルとなってしまいました。
ならば、「ヘッドライナーを呼んでそれで人を集める代りに、フェスティヴァル自体をヘッドライナーの存在に育てて行きたい」と、バラカンさんは9月29日付けの Time Out Tokyoでのインタビュー で前向きに捉え直しています。
『ミュージック・マガジン』2015年10月号でのインタビューでも、同様の趣旨で語っています(90〜93ページ)。

逆転の発想が面白いですが、とはいえ僕にとっての大トリはこの3人組。

Sara Watkins (vo,fiddle)
Sarah Jarosz (vo,banjo,mandlin)
Aoife O'Donovan (vo,g)

それぞれがソロ作も出している実力者揃いですが、今回3人で「I'm with her」というユニットを組んでのツアーとなったようです。
レコードとしては、今のところシングル盤で2曲だけ出ています。そのうちの1曲が、John Hiattの書いた "Crossing Muddy Waters"。


各人の持ち味が活かされる組合せで、ハーモニーも特筆ものです。
アルバムも出してほしいところですが、今回の来日公演ではカヴァー曲が中心になるのかなと予想しています。検索するといくつか見つかりますが、雰囲気が伝わりやすいのはこの映像でしょうか。今年7月のものです。誰の曲か分かる方は教えてください。


彼女たちの単独公演もあります。

◎10月26日(月)  梅田Club Quattro
「Live Magic! Extra」として、ブルーグラス専門誌"ムーンシャイナー”編集長の渡辺三郎氏とバラカン氏のトークショーもあり。


最後に、ツアー中の様子など写真が満載のTumblrのサイトがありましたので、リンクを貼っておきます。